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すべてを、手で生む。

インパクトサーフボードは元プロサーファーの渡辺信夫が1995年に立ち上げたサーフボードブランドです。もともとはJPSAの試合で自らが思い描くマニューバーを実現するために作り始めたものですが、その性能が評判を呼び、一般サーファーに向けた販売がスタートしました。現在では大変少なくなった伝統的なフルハンドシェイプでの制作を頑なに守り続けているのがブランド最大の特徴。手の感覚のみでマシンシェイプをも上回るミリ単位以下の高精度で精密な3次曲線を生み出す他に類を見ないシェイプ技術は、多数の一流ブランドを乗り継いできたベテランのサーファーですら唸らせるほどの完成度を誇ります。

独創的な作法(さくほう)。

インパクトサーフボードの伝統的なフルハンドシェイプは、いくつかの工程において一般的なサーフボード制作とは異なる独創的な作法(さくほう)があります。まず肝となるシェイプについて。通常シェイパーはフォームを任意の形状にシェイプしたあと、すぐにラミネート作業に移ります。しかし、インパクトではシェイプ完了後に一晩寝かせてフォームの変形を確認します。万一、変形があった場合は修正のシェイプをして変形を取り除きます。この工程を変形がなくなるまで繰り返します。中には不幸にも変形が止まらずオーダーの数値より小さくなるフォームが出てきますが、そんなときは新しいフォームでゼロからすべて作り直します。インパクトではサーフボードの性能を大きく左右するシェイプに対し、手間と時間を掛けることを惜しみません。

造形は、変えない。

シェイプが完了すると次はラミネート。一切の妥協なくシェイプしたフォームをファイバーグラス(ガラスクロス)で巻き、レジンで固めます。インパクトではラミネートを同じ敷地内にファクトリーを構え自動車やバイクのカウル等をFRP製造している、ファイバーグラスとレジンのプロフェッショナルであるアートファイバーK代表の上村氏が、インパクトのシェイプ理論を完全に理解したうえで、卓越したラミネート技術を用い、完璧なトレースでインパクト独自の三次曲線をラミネート。元シェイパーでもある上村氏の手によってラミネートを終えたフォームは、シェイプラインをいっさい崩すことなくラミネート前の完璧な造形を維持します。

水流への同調。

そして、最終工程のサンディング。一般的にはソフトパッドでのサンディングを行いますが、インパクトではクッションによる微妙な歪みを排除するためあえてハードパッドを使用し、手に伝わる僅かな感覚だけで鏡のような歪みのない面を生み出します。そして仕上げとなる手によるサンディングはすべて、サーフボードに触れる水の流れの方向にのみヤスリがけを行います。ボトム側はもちろんデッキ側においてもすべて、水の流れ以外の方向には一切サンディングを行いません。これはサーフボードが水に対して極限まで抵抗を生まないよう、また、シェイプ本来の性能を最大限引き出せるよう、あらゆるシチュエーションでの使用を想定して行われます。

効率より品質。

インパクトでは非常に手のかかる制作技法に時間を惜しまず丁寧に行います。サーフボードづくりをビジネスとして捉えるならば、生産性を考え一定品質でヨシとして次の工程に進むのもアリでしょう。しかし、インパクトの考えるサーフボード制作は効率より品質。もっと良くなるとわかっていながら納期を理由に80%の性能のサーフボードをお渡しすることは絶対にしません。考えうること、出来ることはすべておこなう。そして100%のインパクトサーフボードをお渡しする。サーフボード制作は知識や経験が増えるほどに、制作時間が増えていきます。昔は”知らなかった”からと行わなかったことも、知った以上はボードに取り入れる。インパクトは常にいま出来る100%を追求します。納品までに時間はかかりますが、究極のフルハンドシェイプサーフボードを皆様にご提供致します。